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~アンカリング~
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院長コラム
ー 最初の一言が、医療を決めてしまうことがある ー
先週、IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病など)の中四国規模のWebセミナーで座長を務めさせていただきました。

ご講演は、愛媛県立中央病院IBDセンター長の北畑先生。私より少しお若いのですが、全国でも有数のIBD専門医であり、私自身も以前から大変勉強させていただいている先生です。

今回の講演も非常に示唆に富む内容でしたが、特に印象に残ったのが「アンカリング」という言葉でした。
■ アンカリングとは何か?
アンカー(anchor)は船の錨(いかり)です。アンカリングとは、その錨を下ろすこと。
行動経済学の概念で、最初に得た情報が基準(アンカー)となり、その後の判断がそこを軸にして決まってしまうという心理効果を指します。これを「アンカリング効果」と呼びます。

■ 医療におけるアンカリング
医療は科学ですが、同時に人間の営みでもあります。
たとえば、「軽い炎症です」「とりあえず様子を見ましょう」「これは大丈夫です」
こうした最初の一言が、患者さんの中で強いアンカーになることがあります。
その後に病状が変化しても、「最初に軽いと言われたから大丈夫だろう」と無意識に判断してしまう。
あるいは逆に、「難しい病気です」と最初に言われれば、必要以上に不安を抱え続けることもあります。
最初の説明が、過度に楽観的すぎてもいけないが、必要以上に悲観的すぎてもいけない・・・
その“バランス”こそが、医師の責任だと感じました。
■ 私自身の診療を振り返って
私自身、最初に患者さんへ病状を説明する際、
☑どこまで具体的に伝えるべきか
☑不安を煽らずにリスクを伝えるにはどうするか
☑将来の見通しをどう言語化するか
常に考えています。
アンカリングという言葉を改めて聞き、「最初の説明こそ、最も慎重であるべきだ」と強く感じました。
医療において、最初の説明は単なる情報提供ではありません。
それは患者さんの将来の行動を方向づける「錨」になる言葉です。
今回の講演を通じて、診断技術だけでなく「言葉の責任」についても、改めて考えさせられました。
一臨床医として、これからも“最初の一言”を大切にしていきたいと思います。
医療法人英知会「はらだ内科・内視鏡クリニック」
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