新クリニックの工事も着々と進み、ついに今月から、30年以上にわたり地域の皆さまにお世話になった旧クリニックの取り壊しが始まりました。
長年、駐車場の狭さでご不便をおかけしてきましたが、取り壊し後は敷地が駐車場となり、約20台分の駐車が可能になります。これまでお車で来院されていた方も、より安心してご利用いただけるようになりますので、ぜひご期待ください。
写真は、新クリニックの待合室から旧診療所を見た風景とです。長く親しんできた建物が姿を消すのは少し寂しいですが、その分、新しい環境でより良い医療をお届けできることを楽しみにしています。
さて、前回のコラムで「ヘリコバクター・ピロリ菌ではない新しい菌」について少し触れましたが、まずはそもそも「ヘリコバクターって何?」というお話から。
“ヘリコバクター”はピロリ菌の“苗字”のようなもので、正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」です。同じ仲間は他にも約20種類存在します。
今日のタイトルに出てくる“俺”は、このピロリ菌です。胃がんの話をする上で、ピロリ菌は欠かせない唯一無二の存在です。しかし近年、「ピロリ菌は検査で陰性なのに、ピロリ菌感染による胃炎のような所見がある」という患者さんが少なからず見つかっています。調べてみると、その約7割が、ピロリ菌と同じ仲間である「ヘリコバクター・スイス」という菌に感染していることが分かってきました。この“スイス”は胃カメラ時の組織検査でピロリ菌よりサイズが大きい菌がいることから以前から存在は知られていました。ただピロリ菌のように病気を引き起こすかは不明であったのですが、まだ胃がんとの関連ははっきりしていませんが、胃の悪性腫瘍の一種である「胃MALTリンパ腫」との関係が近年は示唆されています。
つまり、胃カメラを受けて「ピロリ菌がいそうだから検査しましょう」と言われ、結果が陰性だった場合でも、実は“俺(ピロリ菌)以外”の菌が原因になっていて、将来の病気の原因となる可能性があるのです。
胃癌の主役は今まで「俺=ピロリ菌」でしたが、今後は「俺以外=スイスなど」へ研究や診療のフォーカスが移っていくと予想されます。今後も動向を注視し、さらに正確な診断と予防・治療ができるように研鑽を積んでまいります。
医療法人英知会「原田内科胃腸科医院」
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