~全貌を知る~

旧診療所の解体工事が着実に進み、新しいクリニックの姿もだんだんと見えてきました。地域の皆さまにお披露目できる日が近づいていることを、私自身とても楽しみにしています。

さて、前回のコラムでは、患者さんからよくいただくご質問について
「次はいつ胃カメラ(胃内視鏡/上部内視鏡)を受けたらいいですか?」
という疑問について取り上げました。

その際は「2年後で大丈夫ですよ」と言われることがある理由をお話ししました。実際、研究結果でも1年ごとでも2年ごとでも「胃がんによる死亡率」に大きな差はないとされています。つまり、検診の最大の目的である「命に関わる前に見つける」という点では、2年に1度でも問題ないのです。

では、なぜ「1年後に受けてください」と勧める医師がいるのでしょうか。

胃がんと治療の違い

胃がんは最初、胃の最も内側にある粘膜にとどまっています。これが「ごく早期」の段階です。しかし、時間が経つと粘膜下層、筋層、漿膜へと、徐々に深く進行していきます。

☑粘膜内にとどまる早期がん
 内視鏡の先から数mmのメスを使用して行うESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という治療が可能です。胃を温存できるため、手術の負担は軽く、術後の生活の質も保ちやすいのが特徴です。私は今まで五千人を超える患者様の胃や大腸のがん・腫瘍を内視鏡治療してきましたが、副作用も少なく、ほぼ全員の方が治療前を変わらない生活を送られており、本当にうれしい限りです。

☑粘膜下層の深部まで広がった早期がん
 この場合はESDで取り切ることが難しく、外科手術が必要となります。胃を半分以上切除せざるを得ず、術後は食欲低下や体力の減少など、日常生活に影響が出ることがあります。

同じ「ステージⅠの早期胃がん」であっても、どの段階で発見するかによって治療法や負担は大きく変わるのです。

「できるだけESDで治せる段階で発見したい」――そう考える消化器専門医は少なくありません。これが「1年ごとの検査が望ましい」と言われる大きな理由のひとつです。

実は、1年ごとを勧める理由はこれだけではありません。ほかにも大切な視点があります。その続きについては、次回のコラムで詳しくご紹介したいと思います。どうぞご期待ください。

 

 

 

 

 

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